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こんにちは、魚信本店 店長の田口です。

梅雨が明けて、岡崎の空が一気に夏らしくなってきましたね。厨房に立つ私にとって、この時期はとくに仕込みに気を使う季節です。鮮魚の鮮度管理、出汁の引き方、豆腐の凝固具合……暑い日ほど、細かいところに神経を使います。

今日は、料理の話というよりも、ちょっとした「私自身の話」をさせてください。

「なぜ魚信が、グルテンフリーへの対応を始めたのか」——その理由は、ある一組のご家族との出会いにあります。法事のお食事会でのことでした。

こんな方におすすめ

  • ✅ グルテンアレルギーや小麦不使用の食事を探している方
  • ✅ 法事や法要の食事会(お斎)の段取りが不安な方
  • ✅ アレルギーのある家族がいても、みんなで同じ料理を楽しみたい方
  • ✅ 岡崎市近郊でグルテンフリー対応の和食店を探している方
  • ✅ お祝いやご法事の場で、個別の食事制限に細かく対応してくれるお店を探している方
なぜ私は岡崎の和食店で、グルテンフリーへの対応を始めたのか | 季節の魚と釜飯 魚信

あの日、法事の打ち合わせで言われた一言

それは、数年前の初秋のことです。

一本の電話が入りました。「父の四十九日の法要後の食事会を、人数分お願いしたいのですが……」と、少し遠慮がちな女性のお声でした。

事前の打ち合わせにご来店いただいた際、その方——仮にAさんとさせてください——は、ご予算や席数を確認しながら、最後にこう付け加えられました。

「実は、母がグルテンフリーの食事をしていまして。同じテーブルで、みんなと同じような料理を食べさせてあげたいんです。でも、無理を言っているのはわかっていて……」

その言葉を聞いたとき、私は少し胸が痛くなりました。

「無理を言っているのはわかっている」——そう前置きしなければいけないほど、これまでいろんなお店で断られてきたのだろうなと。

正直に言うと、その時点では魚信もグルテンフリーへの対応を「体系的には」やっていませんでした。でも、私はすぐにこう答えました。

「一度、うちのメニューを全部見直してみます。出汁の引き方から確認しますね」

「出汁から見直す」——そこで初めて気づいたこと

Aさんとの打ち合わせが終わった夜、私は厨房でメニューと仕込みの手順を一から書き出しました。

和食って、一見グルテンとは無縁に見えますよね。魚、野菜、豆腐、米——素材だけ見れば確かにそうです。でも、実際に調べてみると、思っている以上に小麦が「潜んでいる」ことがわかりました。

醤油のほとんどは小麦を使って醸造されています。だし醤油や合わせ調味料にも、当然のように小麦が入っている。煮物のつなぎ、揚げ物の衣、かまぼこや練り物にも。

「これは、ただ一品だけ変えれば済む話じゃないな……」

そのとき気づいたのは、グルテンフリーへの対応は「一皿の問題」じゃなく、「厨房全体の仕組みの問題」だということでした。

使う醤油をグルテンフリーのたまり醤油に切り替える。揚げ物には米粉を使う。煮物のとろみには片栗粉を選ぶ。そして、通常の仕込みと調理道具を分けて、交差汚染(コンタミネーション)が起きないようにする——。

一つひとつは地道な作業でしたが、「手作りで、出汁から引いている」魚信だからこそできることでもありました。既製品や冷凍食品を使っていたら、正直これだけ細かい対応は難しかったと思います。

✓ ここまでのポイント

  • グルテンフリー対応のきっかけは、法事の食事会(お斎)で「無理を言っているとわかっている」と前置きして相談してくれたお客様との出会い。
  • 和食は一見グルテンフリーに見えるが、醤油・煮物のつなぎ・揚げ物の衣など、意外なところに小麦が潜んでいる。
  • 出汁から手作りしているからこそ、素材と調味料の選定から柔軟に見直すことができた。

法事の当日——Aさんのお母様の表情が、すべてを教えてくれた

法要当日、Aさんのご家族がご来店されました。個室のお座敷に、ご親族の皆様がお集まりになりました。

私が特に気にしていたのは、Aさんのお母様でした。いつもの食事会では「自分だけ違うもの」になってしまうことが多かったと聞いていたので、今回はできる限り同じ料理、同じ見た目で揃えることを意識しました。

南伊勢や師崎から仕入れた旬の鮮魚を使ったお造り、たまり醤油で丁寧に炊いた煮物、米粉で衣をつけた揚げ出し豆腐——そして、魚信の名物、炊き立ての釜飯。

お母様が釜飯の蓋を開けた瞬間、ふわっと湯気が立ちのぼって、「まあ、きれいね」と小さく呟いてくださいました。その言葉が、今でも記憶に残っています。

後日、Aさんからお電話をいただきました。

「母がね、帰りの車の中で『みんなと同じものが食べられた』ってすごく喜んでいました。あの釜飯、また食べたいって言ってるんですよ」

その一言で、私はこの取り組みを続けることを決めました。

「南伊勢や師崎の新鮮な魚と、名物の釜飯が絶品でした。手づくり豆腐も美味しくて、両親も大喜びしてくれました。」

ご法事でご利用のお客様

「みんなと同じものを食べる」ことの意味——法事の席で感じたこと

料理を作る立場として、改めて気づいたことがあります。

食事って、栄養を摂るためだけのものじゃないんですよね。とくに法事のような場では、食卓を囲んで故人を偲び、ご家族や親族が同じものを口にしながら時間を共有することに、深い意味があると思います。

だから、「アレルギーがあるから別メニュー」で話が終わってしまうのは、私にはどうしても納得がいかないんです。

「ただ食材を抜く」だけでは、一皿の料理としての完成度が下がることもある。それならば、抜いた分を別の素材で補って、ちゃんと美味しい一皿にする——それが、料理人の仕事だと思っています。

私がいつも言う「料理は技よりも心」という言葉の意味は、こういうことでもあります。

技術は確かに必要です。でも、お客様の事情に寄り添って、「この方に何が必要か」を考えることなしに、本当に美味しい料理は作れない。グルテンフリーへの対応を通じて、そのことをより強く実感するようになりました。

現在の魚信のグルテンフリー対応——ご予約時に遠慮なくご相談を

あのAさんとの出会いから、魚信では少しずつグルテンフリー対応の仕組みを整えてきました。

現在、ご予約時にグルテンフリー(小麦不使用)のご要望をいただいた場合は、私・田口が直接ご要望の詳細をお伺いした上で、コース内容や使用する調味料をご相談しながら決めています。

「完全除去が必要か、少量なら問題ないか」「醤油のエキスはOKか」——こういった細かいレベル感によって、対応できる範囲も変わってきます。だからこそ、予約の段階でしっかりお話しできることが大切なんです。

お食い初めのお祝い膳でも、ご法事の会席でも、ランチの季節御膳でも、できる限り「みんなと同じテーブルで、同じような料理を笑顔で食べてもらえる」ように工夫します。

もし「うちの家族にはアレルギーがいて……」と不安に思っているなら、まず一度ご相談ください。「無理を言っているとわかっている」なんて前置きは、もう必要ありません。😊

まとめ:グルテンフリー対応も、法事のお食事会も、まずはご相談から

グルテンフリーへの対応を始めたのは、特別な設備を導入したからでも、流行に乗ったからでもありません。一組のご家族の「お母さんにも同じものを食べさせてあげたい」という想いに、私が動かされたからです。

法事の食事会(お斎)は、初めて幹事を任されると、段取りや費用の相場、ご住職への対応など、わからないことだらけで不安になりますよね。でも、経験豊富なお店に早めに相談すれば、その不安の多くは解消できます。

魚信では、法事のご予約の際に事前の打ち合わせをしっかり行っています。陰膳のご用意、ご住職様へのご配慮、席順のご相談——ご遠慮なく何でもお声がけください。当日は、幹事さんが料理のことを心配せず、大切な方を偲ぶ時間に集中できるよう、スタッフ全員でサポートいたします。

グルテンフリー対応のご相談も、法事・お祝いのご予約も、まずはお気軽にお電話か予約フォームからどうぞ。

📞 お電話でのご相談はこちら:0120-15-0173

🗓 お席のご予約・空き状況の確認はこちら

ブログを読んでお越しくださった際には、「記事読んだよ」とひと言声をかけてもらえると、私もとても嬉しいです。皆様のご来店を、心よりお待ちしております。

——魚信本店 店長 田口 信一